第149回事例研究会を開催しました

2025年2月19日
アース製薬株式会社坂越工場の会議室をお借りして
第149回の事例研究会を開催しました。
参加者  現地参加 27社39人 オンライン 12社15人


事例研究会に先立ち、
アース製薬の「お客様のお気づきを活かす窓口部」、
「ごきぶりホイホイ」の製造ライン、
昆虫飼育施設の見学もさせていただきました。

【参加のみなさま】

◆事例発表
①株式会社ダスキン

運営している飲食業の店舗で購入した弁当を自宅に持ち帰って開封したところ、中から生きた虫が出てきたという申し出でした。
店長が訪問して、お弁当代金は返金しましたが、自宅の害虫駆除の要求がありました。店舗の衛生管理の状況を確認し、店舗での混入の可能性が否定できず、お客様の自宅の害虫駆除をし、その後の発生確認も行い解決しました。
発表者は過剰な対応との認識もされていましたが、参加企業の大多数は妥当な対応だと評価されていました。

【株式会社ダスキンの河原様】

 

②UCC上島珈琲株式会社

コーヒー・砂糖・クリーミンぐパウダーがそれぞれスティック包装されているカップ飲料について、クリーミングパウダーのスティックにパウダーが入っていなかったという申し出でした。
お客様はクリームのスティックを1本送ってもらえないか、会社まで持参してその場で代わりのスティックをもらえればよいとの要望でした。現品の引き取りのため、宅配会社を手配することを申し出ても、名前や住所など個人情報を言わなければならないので拒否される。
会社へ持参しても対応してもらえない、個人情報は教えたくないという押し問答で長時間対応になったという内容でした。
来社での対応をするかどうか、個人情報を教えていただけないお客様の対応の方法、現品確認のためお客様からスムーズな了解を得るための話し方、などについて意見交換をしました。

【UCC上島珈琲株式会社の藤田様】

 

③ピップ株式会社

失語症のためメールでの対応を希望されたお客様とのメール応対の事例でした。
製品を長年愛用しているお客様で、従来と違う商品を通販で購入したが、表面が購入したばかりなのに剥げてしまったという申し出でした。
商品を送ってもらい、調査結果とともに同じ商品との交換を提案しましたが、お客様はすでに別の商品を購入済みで、同じ商品との交換は拒否、返金を要求してきたが会社側は返金対応はしていないため、決裂。お客様への代替品提供・現物返却もないままで連絡が途絶えたという内容でした。
メールでの伝え方が難しいという事例でした。

【ピップ株式会社の岡野様】


②③の事例に共通して、調査のため現品を引き取ることや、対応方針に基づき応対することは間違っていませんが、愛用してくださっているお客様がトラブルに遭遇した心情・想いに対して、初期の応対でどのような気遣いの言葉がけがあったのかが見えてきませんでした。企業側に必要な現品引き取りや、交換提案、調査結果の報告など企業側の論理に偏りすぎていないか考えなおす機会になる事例の紹介でした。

2025年02月22日